人間ドック健診判定結果の活用法 「ドクター人間ドック」の紹介



 1. 皆さん,人間ドック健診を受けられましたか?


健診を受けられたら図1のような結果表を入手されると思います.




図1 人間ドック受診結果表.受診後,大体1か月遅れで郵送されてきます

 この表は1例で報告様式は施設によって違いが有りますが,そのほとんどはコンピュータから直接アウトプットされた検査数値表であります.
 この表では,測定されたデータが記されております.そして,学会で決められた基準値を基に基準値からの離れ具合でA(異常なし), B(少し異常だが日常生活には問題なし),C(経過観察),D(治療,または精密再検査必要)と各項目毎に判定されています.
 ここでは,データをもっと見やすく整理・活用しようと言うことから下記の方法を提案します.まず,図1の表において,緑枠で囲んだデータは ,今までのメタボ検定に使用しました.今回使用する(血液一般,肝機能,腎機能,炎症・免疫,関係の)データを赤枠で示します.


 2. スコア(点数)マップ及び要素マップで結果を可視化します


既に開発したドクターメタボ(メタボリックシンドローム(MS)判定ツール)でのメタボ度は点数で評価しました.
それらは以下の通りです.
領域I :   非MS領域  (0 < 点数 < 20) , "DM-正常域",
領域II :  MS境界域 ( 20 <= 点数 < 40 ), "DM境界域" ,
領域III :  MS相当域 (40 <= 点数 < 60), "DM-異常域",
領域IV:  MS危険域 (60 <= 点数 <= 100), "DM-警戒域",
 MS点数マップでは上記4領域を4種類の灰色の濃さを変えた方法で色表示されています.
 当該の方法では0-19を正常域,20以上をMS該当と設定しました. 領域II,IIIは“未病域”に当たると考えられます.
 また,上記で,非MS領域―MS危険域は,MSの従来判定にならい各状態の悪化度を目安として表記したものであります. このようにして本法では被験者のデータが未病域を考慮して段階的に判定され,既存の方法のように基準値を超えたら直ちにMSであるとは 判別しません.以下に当該方法をマップで示します.
 図2は,上記4領域をマップ化したものです.また,図3では,メタボを構成するそれぞれの要素がどのような 関係にあるかが分かります.                                                                      



図2 メタボ判定における点数マップ.現行法では基準値内であれば,非メタボの場合,メタボ度を0,基準値を少しでも超えていればメタボ度を1と判定します.この図では,未病領域を設定するため徐々にデータがメタボ度1に向かって移動しますので注意が必要です




図3 当該方法では,図2で「メタボ度」が判定出来ました.この図では,この被験者は脂質異常から肥満も含めた総合メタボに移動していることが分かります


 3. 人間ドックデータの可視化判定ツールを作成しました


 今回は,先に述べたメタボ解析の方法を図1の赤枠の部分を含めて画像データ以外の数値データを以下の6分野にまとめました.
 1.既に述べたメタボ判定,2,糖代謝,3肝機能,4.腎機能,5.血液一般,6.免疫・炎症,になります. これらを判定する入力データ形式を図4に示します.



図4 生活習慣病関係6分野判定ツール用の入力データ形式例


 メタボ解析で使用したSOMツール解析法を上の6分野解析にも応用します. 解析結果は視覚的に表示でき,かつ,臓器別,機能別に検査異常を系統的に把握できます.
 また,これら6分野の健診項目は画像を除く通常の人間ドック・健診検査範囲をほぼ全域カバーしています. こうして,パソコン上で個々の検査データの判定と,被験者との対面型保健支援がどこでも同時に可能となります. 健診データの継続的かつきめ細かな健康度評価が担保され,現場における被験者への「動機づけ」支援が強化されて個別保健指導効果が一層高まることが期待されます.
 図4の入力ファイルでは,F〜AK列にドクターメタボ用の入力データから,以下,肝機能,腎機能,血液一般,炎症・免疫の項目の検査値が受診日順に続きます.



図5 生活習慣病関係6分野機能項目の診断ツールの入り口画面.赤枠の 総合判定から入ると,図6のレーダーチャートに移ります


 図5に,図3の結果を応用して開発した生活習慣病関連6機能項目の診断ツールのウインドウ画面を示します. 次にドクターメタボではMS度を点数で評価しましたが,これと同様の考え方を各6分野判定機能にも応用し,図6に示すように6角座標に整理しました.
 さらに6角座標表示で囲まれた面積の重心位置も表示しました. 重心の表示は6分野検査の偏りを観るためのものであり,データによっては必ずしも特徴的に示されない場合もありますが,10年〜20年以上の長期間の人間ドック・健診データの観察において,個人内変動の傾向を的確に把握するためには有用であると考えられます.
 このような観察スパンの長いデータ利用は、従来の健診システムには無い考え方です.

 図6の各出力値は6角形の各軸に示されています. 同図の各軸の頂点の不健康点数(スコア)値は,最大100点で,中心は0点(全データ正常域)であります. 被験者の2010年の出力結果が図6に示され,メタボから右回りで,21,0,21,0,55,7点であります. この6点の重心は図中,赤丸で示されます.重心位置の経年変化は図7に示します.



図6 生活習慣病関係6分野項目判定6角座標の表示.全6分野点数の平均値は図中左下に示します.右図の赤丸は重心位置を示します.




図7 重心位置の経年変化.右図は拡大図.赤枠スケールで任意に見やすく拡大します.そして,経年を見易く点線で結んでいます


 ある年の6分野健診結果の変化は6角座標で分かりやすいのですが,経年では重なり合って表示しにくい. そこで6角座標の各点数を経年で縦軸に表示することを試みました. 結果を図8に示します.このようにして総合的な健康診断の判定結果が時系列に俯瞰されます.

 この例では,炎,メタ,肝,血,(いずれも略号)に異常値の変化が出ています. 20-60(*), 60以上(**)では警戒域マークが出ます. そこで個々の異常,たとえば肝機能の内容を調べたい場合には,図8の赤丸の中の黒丸をクリックします.そうすると図中に「項目選択」のメニューが現れます.
 そこで赤枠の「肝機能」ボタンを押すと図9のDr肝機能画面が出ます.そこには図8で押した2008年のデータが入力されています. この年のマップは「データ入力完了」から見れますが,経年変化はその下の「健診データ取出し」から,図10の肝機能点数マップと図11の要素マップとを検討することができます.



図8 被験者の5年間の項目別得点の総合推移グラフ.全データが正常域にある項目はグラフに表示されず,点数が20点以上の項目に* **マークが付きます また,2008年の赤丸の中の黒丸をクリックしますと,選択されたデータの年月日,2008年0315が出ます.項目選択,この場合はDr.肝機能が出ます. この赤枠のDr.肝機能をクリックすると次図のメニューが出ます.また,20点以上,境界域以上には薄く色付けました



図9 前図でDr.肝機能をクリックしますとこの画面が現れ,前図でクリックした2008年のデータが現れます.右の赤枠の「データ入力」でその年 のマップが出ますが,以下の経年はその下の「健診データ取出し」を開きます.以下の点数マップ(図10)要素マップ(図11)が出ます


また,図6,7,のレーダーチャートからは上部の「詳細判定」ボタンを押すと図8,9と同様の操作が出来ます.



図10 肝機能スコアマップ




図11 肝機能要素マップ


図10では,肝機能のスコア,点数マップ,図11は要素マップを示します.この被験者ではAST,ALT,の異常が認められます.


図12 図10の点数マップを経年で表示しました

 4. 如何がでしたか? 図1のような数表よりも理解しやすく,
健診結果が日々の健康管理に活用できることがお分かりでしょう


 当社が開発したMS判定ツールが現行勧告法での「見積もり過ぎ」「見落とし」を回避できることが検証されたことからこの利点を踏襲し, 基準範囲の外側に未病域を設定して基準値上限を超えるデータに定量的な差を付けて異常度を評価する方法を考案し, 人間ドック・健診全般の6分野の検査項目にツールを拡張しました.

 6分野のデータ解析の判定結果をスコア化して正6角形レーダーチャート上に表示し,総合的,目視的に容易にデータ内容を把握できるようにしました. また,6分野検査値の重心推移を図示し,健診結果の経年変化を総合的に表示する総合健康診断グラフを作成しました.
 このことにより,人間ドック・健診成績を単に数値表として眺めるだけではなく,個人の健康動向を目視的かつ総合的に把握してさらなる健康増進に努めようという動機づけが容易になったと考えられます. 重心の経時的移動の観察は,個人の健康動態の変化を総合的かつ長期的に推定し,より的確な未病予防を行う上で有用と思われます. このような観察スパンの長い健診データの表示・評価は、従来の健診システムには見られない健診データの有効活用と考えられます.
 本提案ツールでは,個々のパソコン上で検査データの動向検索や総合判定が実施され,さらに重点的に必要な画面に切り替えて異常をチェックすることができます. こうして,健診データの継続的かつきめ細かな健康度評価が担保され,加えて,パソコン画面を共有する対面型の保健支援が同時に可能となるため,面接現場における積極的な個別保健指導の効果が高まることが期待されます.

  5. それで「私の健診結果はどうなのかと思われるでしょうね?」 分かりました.
以下のように,分かりやすくコメント文が出るようにしました.

判定位置での判定コメント文の挿入です.まずメタボ判定についてその要素マップで説明します.


図13 上段の「コメント」の挿入です.ここで「コメント」をクリックするとマップ上の黄色枠の入力データと判定データに相当するコメント文が下図のように現れます


図14 図13の操作でマップ上黄色枠に関するコメント文が現れます


図15 マップ上の別の黄色枠の位置で「コメント」をクリックすると表示のコメント文が現れます.この場合,マップ外スペースをクリックすると入力データ他が現れます


図16 別の被験者の糖代謝のマップです.「コメント」をクリックすると表示のコメント文が現れます.この被験者は糖代謝では経年全てで正常値に有りました

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